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こころ

  私事ではありますが・・・

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  特別な場所でいただくビールは最高!

幼少期、
ネフローゼでひと月ほど入院した経験がある。

入院当日、幼いなりの不安から
祖父がお茶を汲みに行った隙に
病室から脱走した。

旧国立東静病院は実家に近いため、
5歳の私でも、
脱走を企てる事に勇気を必要としなかった。

美容室を切り盛りしていた母は、
あらゆる子育ての事柄において
周囲の協力を借りざるを得なかった。

仕事を優先にしなければならない立場に
要所要所で葛藤があったに違いない。

この時も私を不憫に思っていたようであり、
当日、母から叱られた記憶はない。

しかし
この脱走に対し大慌てだっただろう祖父は
恐らく母を責めたと考えられる。
時代の風潮と言うべきか、
誰よりも嫁(母)に厳しく身勝手な祖父だった。
子ども心にそう感じた私は、
どうも祖父を好きになれなかった。

結局この日は自宅に泊まり、翌日から戻った。

当時、看護師さんからいただいた絵本は
今でも大切な記憶として心の中に残っている。

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中央でビーチに向かってきているのが私。

その後健康な大人に育ち...いや、育ててもらい、
20代後半から10年近くウインドサーフィンに没頭。

サロンオフの8割ほど
四季に関係なく海に通っていた。
渋谷までメイクの勉強に通っていた1年半を除き、
紫外線が強い季節の露出部分は小麦色だった。

バランスだけでなく、
時にはパワーを要するスポーツなので
ジムにも通い、今とは真逆な生活と私であった。


そんな日常生活の中で、
HADA OF HAIR(アダオブヘアー)の前身、
HAIR CLUB MILK(ヘアクラブミルク)時代に
病気とも言えないさもない症状が原因となり、
下腹部の開腹手術をすることとなる。

それも3度も。

経験済みの2度目からは、
腹を切られることよりも筋肉注射の方が怖かった。

3度目の術後、
起き上がると体を真っすぐに維持できなくなり、
退院翌日から再入院となる。

局部麻酔が髄腔に影響したという診断だった。

このような5度の入院を経験し、
患者に接する時間が長く、
勤務時間もハードな看護師さんを
尊敬の眼差しで見るようになった。

もちろん今でもそう思っているし、
そう思えることは私の大切な価値観だと思う。

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スピード感とバランス感覚のあるスポーツが好き。50を回り、念願のスーパースポーツ

その後、病院とはまったく無縁となったが、
7~8年後、体に大きな異変を感じるようになる。
(HADA OF HAIRに移転・改名後)

平成21年1月、
私の心を大きく揺さぶる病気が発覚。
年を重ねた母も泣かせてしまった。

既に貧血など、いくつかの症状が表れており
町医者を受診したが、
体重の落ち具合や症状などが解消されず、
結果、受診した人間ドックで判明。

疑われていた病名から入院を覚悟していたため、
審査員の仕事を控えていた私は、
紹介先の総合病院で
ドクターに検査の延期をお願いした。

しかし検査日まで数値も3倍に上昇してしまい、
その後のドクターは
患者の我儘は聞くまいと思ったかもしれない。

「鈍痛がする。」
そのような情報を受けていた検査マルクは、
私にとって筋肉注射よりもラクだった。

どうやら私は筋肉注射が苦手なようである。

過去の時代ならば不治の病として
病床に縛られていたはずだった。

しかし病院はじめ、
様々な情報から医学・薬学の進歩を知り、
不安な胸の内が払拭されるまで
さほど時間はかからなかった。

処方された新薬も早い段階で効果が表れた。

今では自分自身も
その病であること忘れてしまうほどである。

安定後は3か月に1度の通院だけで済み、
結局のところ、
発症後から1日も休まずにサロンに立っている。

これは大変幸運なことである。

「良い時代に恵まれたなぁ。」と、
何度口にしただろうか。

転院し、更なる進化を遂げた新薬により
遺伝子検査も良好である。
副作用の浮腫みや倦怠感もなくなった。

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スキーは今でも楽しんでいる。

このように、たとえハズレくじを引いたとしても、
いつも誰か、何かに助けられている気がしてならない。

今回は新薬の研究者たちとドクターに助けられた。
もちろん周りの人たちの協力も忘れてはいない。

そんな時代の恩恵を受けながら
もう1度いただいた命。

美容師という特別な職業に就いている私が、
その感謝の気持ちを向けるのは
お客様以外、他ならないと思う。

その気持ちが
進化したアダコンセプトのルーツとなっている。

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時にはモードな仕事も

美容師はヘアスタイルを作る仕事だが、
お客様の頭皮やお肌が
常に視界に入ってくる職業であり、
カット中にトラブルが気になることも多々ある。

そのようなお肌・頭皮のトラブルも、
ストレス社会やジャンクフードなどの食生活、
化学化合物系のヘアケア商品の品揃えなど、
時代繁栄の産物が原因であることは否めない。

そんなトラブルに対し、美容師の立場上、
お客様にできることは限られているが、
私なりにアドバイスできるよう
勉強すべきだと考えた。

健康な頭皮から健康な髪は生まれる。

情報社会ゆえに、ヘア&スキンケアに関し
間違った考え方やお手入れをしている
お客様も見受けられる。
その背景には誇大な新聞広告など
メディアを利用した販売戦略があり、
それはそれで仕方のない事。

それならば1人でも多くのお客様に
大切なことを理解していただこうと、
正しいホームヘア&スキンケアのために
理論を持ってアドバイスすることをスタートさせた。

今では多くのお客様にご理解いただき、
決してアダのマニアックな技術や商品に
華やかさはないが、
多くのお客様から支持を受け続けている。

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もちろん、
感謝すべきスタッフあってのことだが、
この、「アダオブヘアー」という特別な
「恩返しの場所」に恵まれている私は幸せ者だ。

        小澤利雄
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